【おさらい】ヘアサイクルの仕組み
髪の毛には、独自の「抜けては生える」ヘアサイクルがあります。
みなさんも、なんとなく髪の毛はある期間で抜けて、また生えてくるという認識があるのではないでしょうか。
しかし、髪の毛が抜けっぱなしでは、いずれ髪の毛はなくなってしまいます。
日本人の髪の毛は、平均で10万本あるといわれています。そして、その髪の毛は1日平均して80〜100本は抜けます。この髪の毛が1日に100本程度抜けるのは、自然な現象であり、このヘアサイクルの過程で、生えては抜けるを繰り返しているのです。
髪が抜けてもなくならないのは、髪が抜けても新しい髪の毛が生えてくるサイクルがあるからなんです。
そのヘアサイクルにも、「3つの段階」があるというのはご存知でしたか?
3つの段階とは、
- 成長期
- 退行期
- 休止期
といいます。
この記事を書いたのは?
今回の記事を書いたのは看護師歴15年のアラフォーナースです。
若い頃にはなかった髪の薄毛が30代半ば頃より気になり始め、自分も例外ではないのだとショックを受けたのが薄毛に興味を持ったきっかけでした。
それからというものの、薄毛や脱毛について調べて自分でできる対策を行ってきました。薄毛や脱毛はもちろん年齢によるところが多いのですが、それ以外にも食生活や日常のストレスが大きく影響していたことを実感しています。
薄毛・脱毛に対する実体験を通して、自分の髪の健康を維持することの大切さを伝えていきたいと思っています。
ヘアサイクルとは?ヘアサイクルが乱れるとどうなるの?
初めて「ヘアサイクル」という言葉を聞いた人もいるかもしれませんね。
本題に入る前に、ヘアサイクルとは何か、ヘアサイクルが乱れるとどうなるのかをお伝えしましょう。
ヘアサイクルとは?
はじめに、前述した髪の毛の「ヘアサイクル」について復習しましょう。
ヘアサイクルには、大きく分けて3つの段階があります。
約3年から6年をかけて、髪の毛のヘアサイクルは「成長期」〜「退行期」を経過して、「休止期」といわれる段階に入ります。
髪の毛は、この「成長期」「退行期」「休止期」という、一連の流れを経て、抜けては生えてを繰り返しているのです。
それぞれのヘアサイクルのなかでも、成長期の期間の長さには個人差があります。
成長期は、平均して約3〜5年と長く、今現在、あなたの頭に生えている髪の毛の約80〜90%程度は成長期の髪の毛です。成長期という名前のとおり、髪の毛は伸び続けていることになります。
髪の毛は、ずっと際限なく伸び続けているわけではありません。成長期にある、ある程度の期間に成長を続けたあと、髪の毛は自然と抜け落ちていきます。
この髪の毛が抜け落ちる期間を、休止期といいます。
この休止期にある髪の毛の元にある毛根は、2〜3ヶ月かけて自然と抜けていきます。そして、しばらくすると、新しい髪の毛が再び生えてくるのです。
ヘアサイクルが乱れるとどうなる?
これらのヘアサイクルが、さまざまな原因によって乱れてしまうと、髪の毛が十分に成長できないうちに脱毛し、その結果として薄毛になるといわれています。
そのヘアサイクルが乱れる原因として、
- 頭皮の環境が悪くなる
- 全身や頭皮の血液の流れが悪くなる
などが挙げられます。
これらの原因の結果として、約3〜5年といわれる成長期の期間が短くなります。
それにより、成長期で十分成長するはずだった髪の毛が、十分に栄養を確保できずに、太く長い髪の毛を維持し、成長をすることができずに、途中で抜け落ちてしまうことになるのです。
でも、ヘアサイクルが乱れたら、一気に髪の毛が抜けて、ハゲてしまうのではと心配になりますよね。
ここがポイント!
ヘアサイクルが乱れたとしても、髪の毛1本1本のヘアサイクルの周期が異なるため、一気に髪の毛が抜けてしまうことは起こりませんので、安心してください。
髪の毛が抜けてしまうタイミングは、それぞれ違うため、頭髪はある一定の容量を保っていることになります。
ヘアサイクルにおける「成長期」「退行期」「休止期」とは?
それでは、ここからヘアサイクルの「成長期」「退行期」「休止期」、それぞれの期間について、詳しく説明をしていきましょう。
成長期(3〜5年)
ヘアサイクルにおける成長期は、それぞれの髪の毛の毛根にある細胞分裂が活発に起こるため、「髪の毛が太く、長く伸びる」期間にあたります。
十分な栄養が届けられている、健康な髪の毛の成長期は、一般的に「3〜5年」といわれています。
また、今ある約10万本生えている髪の毛のうち、約80〜90%が成長期の段階にあります。
この成長期にある髪の毛は、だいたい3〜5年で次の「退行期」に入っていきます。
さて、成長期について、さらに詳しくみていくと、成長期自体を3段階に分けて考えることができます。
成長期①
成長期の一番はじめの段階は、「髪の毛が生まれる」タイミングです。
これまであった、古い髪の毛が毛根から離れます。これと同時に、新しい髪の毛を作る、「毛母細胞」が細胞分裂をはじめて、新たな髪を作り始めていきます。
成長期②
髪の毛の根元で、毛母細胞が分裂を始めて作り出した新しい髪の毛が成長していきます。
すると、もともとあった古い髪の毛を、新しい髪が外に追い出そうという段階になります。
古い髪の毛が、新しい髪の毛の成長によって、上に押し上げられるため、古い髪の毛は自然と脱毛していきます。
この時期の髪の毛は、毎日のブラッシングやシャンプーによって抜けやすくなっています。
成長期③
成長期②の時期に、古い髪の毛が抜けたあとは、今度は古い髪の毛の下にあった新しい髪の毛がどんどんと成長していく時期に入ります。
この新しい髪の毛が成長していく時期に、髪の毛に多くの栄養を行き渡らせることが大事です。
ここがポイント!
そのため、髪の毛の栄養の元となる、タンパク質の多い食事や規則的な生活習慣をキープしていくことが大切になってくるのです。
髪の毛は、この成長期①から成長期③までの期間、毛母細胞が活発に働いています。
しかし、ヘアサイクルのうち、この成長期が短くなってしまうと、AGA(男性型脱毛症)となってしまうといわれています。
女性でも同様に、ホルモンバランスの乱れにより、男性ホルモンが強くなってしまうと、男性型脱毛症と同じよう症状が起こり、最近はこの女性型のAGAが増えていることが指摘されています。
退行期(1〜3週間)
髪の毛のヘアサイクルのうち、成長期の次に訪れるのが、この「退行期」です。
現在、頭に生えている約10万本といわれる髪の毛のうち、約1%がこの退行期にあります。前の成長期から、髪の休止期に移行する段階の髪の毛と捉えてよいでしょう。
この移行時期には、髪の根元にある毛母細胞に寿命が訪れて、髪の毛を成長させる源となっていた細胞分裂が、少しずつ減っていきます。
毛母細胞の細胞分裂が減っていくのと同時に、髪の毛の成長も止まっていくのです。
髪の毛が徐々に成長を止めて、髪の毛の根元にある毛母細胞から完全に分離して、成長をストップさせるまでの間が、約1〜3週間といわれています。
休止期(3〜4ヶ月)
髪の毛のヘアサイクルが、成長期、退行期ときたら、最後には休止期と呼ばれる時期に入ります。
この休止期は、次の新しい髪の毛が生える準備をする時期です。今ある髪の毛全体の約10〜20%が、この休止期の時期にある髪の毛です。
休止期とは、髪の毛の根元にある毛乳頭と呼ばれる部分の活動が3〜4ヶ月の間、休止します。
そのため、新しい髪の毛を作り出すことはストップし、これまでにあった古い髪の毛が少しずつ抜けていく時期になります。
一生で繰り返すヘアサイクルは約15〜30回
さて、ここまで髪の毛のヘアサイクルを、成長期、退行期、休止期とそれぞれの時期の特徴について説明をしてきました。
これらのヘアサイクルは、成長期・退行期・休止期とトータルして平均3〜6年といわれています。
しかし、このヘアサイクルのトータルの期間は、人の一生の間に約15〜30回ほど、繰り返されると言われていますが、個々のヘアサイクルや男女の性別によって個人差があるといわざるを得ません。
ただ、年齢とともに、AGAや薄毛となる人も増えていくわけですが、これは、ここまで説明した髪の毛のヘアサイクルが、さまざまな原因で乱れたり、短くなったりした結果、生じているといえるでしょう。
しかし、抜け落ちる髪の毛の量と、同じ分量の髪の毛が、ヘアサイクルによって生えてくるため、髪の量はある程度一定に保たれています。
そんな髪の毛の量のバランスも、とくにヘアサイクルの成長期にあたる期間が短くなってしまうと、髪の毛の抜ける本数が増え、さらに新しく生える髪の毛の量も減ることで、全体の髪のボリュームが少なくなってしまうというわけなのです。
ヘアサイクルの乱れの原因とは?
ヘアサイクルの乱れにより、成長期にある髪の毛が少なくなったり、それにより休止期の髪の毛が多くなることで、薄毛が生じてしまうことを述べてきました。
それでは最後に、ヘアサイクルが乱れる原因には何が挙げられるのか、みていきましょう。
原因① ストレスや生活習慣の乱れ
精神的・身体的ストレスや全体的な生活習慣の乱れが、ヘアサイクルを乱す原因になります。
生活習慣の乱れとは、
- 栄養バランスの悪い食事を摂り続ける
- 睡眠不足
- 運動不足
- 喫煙や過度な飲酒
などが挙げられます。
これらの要因により、頭皮に血行不良が起こり、とくに成長期にある髪の毛に栄養不足を生じさせてしまいます。
ここがポイント!
ストレスの少ない規則正しい生活を送ることが大切であるといえるでしょう。
原因② 間違った頭皮・髪の毛のケア
髪の毛に十分な栄養を行き渡らせるためには、土台である頭皮の血行を良くすることが大前提です。
しかし、頭皮の乾燥が進んだり、また頭皮自体が硬くなることで、頭皮の血行不良が進むと、髪の毛へ栄養が行き渡らなくなります。
ここがポイント!
なるべく頭皮を柔らかく保つためにも、洗髪時に頭皮マッサージを行ったり、頭皮の日焼けを防ぐなどのケアが必要です。
さらに、洗髪をするときも、髪の毛のキューティクルをなるべく保護するような洗い方をすることで、切れ毛や抜け毛を防ぐこともできます。
原因③ 季節的な要因
季節的な要因として、1年のうち秋ころがもっとも抜け毛が多い時期とされています。
その理由として、1年のうち7月が「休止期」にある髪の毛が多く、髪の毛が抜けていく、この休止期が3〜4ヶ月続くため、ちょうど季節のうち秋ころまでが自然な脱毛が増加するわけとなります。
原因④ ホルモンの減少
とくに女性においては、閉経による女性ホルモンの減少で、髪の毛のヘアサイクルの成長期が短くなるとされています。
これにより、髪の毛を太く成長させる成長期が短くなることで、ヘアサイクル全体がどんどん短くなっていき、より脱毛へと繋がっていきます。
おわりに
今回は、髪の毛のヘアサイクルについて、詳しく説明をしてきました。
ヘアサイクルには、成長期・退行期・休止期があり、個人差はありますが、ヘアサイクル全体として約3〜5年かかることが分かりましたね。
また、このヘアサイクルは、人の一生の間に約15〜30回繰り返されます。
ここがポイント!
そしてこのヘアサイクルを、年齢を経ても、いかに正常に近く保ち続けることができるかが大切になります。
それにより薄毛を防ぐことができるでしょう。
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